季節の変わり目は、気温差や環境の変化によって心身のバランスを崩しやすい時期です。そんな時、メディカルアロマの知識を活かして役立てたいのが、肌と心の両面に優しく働きかける「ゼラニウム精油」です。その香りは、まるでローズに包まれるような幸福感を与えてくれます。
本記事では、アロマスクールの視点から、ゼラニウム精油が持つ素晴らしい効果・効能、具体的な活用法、そして安全な使い方までを詳しく解説します。メディカルアロマを深く学びたい方、日々のセルフケアに役立つ知識を求めている方に、きっとお役立ていただける情報が満載です。
ゼラニウム精油ってどんな植物?
ゼラニウム精油は、フウロソウ科ペラルゴニウム属の植物から抽出されます。
学名は Pelargonium graveolens や Pelargonium asperum など複数あり、品種によって香りのニュアンスも異なります。
- 花の色
- 白、ピンク、赤など様々で、ヨーロッパでは古くから窓辺を彩る観賞用植物としても親しまれてきました。
- 主な産地
- エジプト、中国、レユニオン島などが知られています。
- 日本への伝来
- 和名では「ニオイテンジクアオイ(匂天竺葵)」と呼ばれます。
日本には幕末に伝わり、明治から大正時代にかけては「葉ゼラニウム」として香水原料などの目的で栽培が流行しましたが、現在では国内での商業栽培は少なくなっています。
メディカルアロマの世界でゼラニウムが注目されるのは、その芳香成分が心身に多様な恩恵をもたらすと考えられているためです。
ゼラニウム精油の香りと主要芳香成分・期待される作用
~「庶民のローズ」と呼ばれる理由~
ゼラニウム精油の最大の魅力は、なんといってもバラに似たフローラルで華やかな香りです。この豊かな香りから、時に「庶民のローズ」や「プアマンズローズ」と呼ばれることもあります。これは、高価なローズ精油としばしば比較されるほど、その香りが豊かで価値が高いことを示唆しています。
ゼラニウム精油には、ローズ精油にも含まれる「ゲラニオール」や「シトロネロール」といった主要な芳香成分が含まれています。
これらの成分が、ゼラニウム精油の持つ様々な働きに貢献しています。
主な芳香成分と期待される作用
- ゲラニオール
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- ・抗菌・抗真菌・抗ウイルス作用
感染症の予防やケアに役立ちます。
- ・皮膚弾力回復作用
肌のハリを保ち、エイジングケアに貢献します。
- ・抗不安作用
心の緊張を和らげ、穏やかな気持ちをもたらします。
- ・その他
収れん作用、昆虫忌避作用などが期待されます。
- シトロネロール
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- ・昆虫忌避作用
虫が嫌う香りとして知られ、天然の虫除けに活用できます。
- ・抗菌・抗真菌作用
清潔を保つのに役立ちます。
- ・鎮静作用
高ぶった神経を落ち着かせる効果が期待されます。
- リナロール
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- ・鎮静・抗不安作用
リラックス効果が高く、ストレスや不眠の緩和に役立ちます。
- ・抗菌・抗ウイルス作用
感染対策にも貢献します。
- エステル類
(ギ酸シトロネリル、酢酸ゲラニルなど)
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- ・鎮静作用・抗炎症作用
心身の緊張を和らげ、炎症を鎮める働きが期待されます。
- ・自律神経系のバランス調整作用
交感神経と副交感神経のバランスを整え、心身の不調をケアします。
- ・ホルモン様作用(調整)
女性特有のバランスの乱れをサポートすると言われています。
さらに、ゼラニウム精油には止血作用も期待できるとされ、古くから小さな切り傷などのケアにも用いられてきました。
ゼラニウム精油の主な効果・効能
ゼラニウム精油は、その多様な芳香成分の働きにより、心と身体の両面にバランスをもたらす「調整役」として、メディカルアロマテラピーにおいて幅広く活用されます。
1. 心への作用:乱れやすい感情と自律神経のバランスを整える
- 自律神経のバランス調整
-
ストレス、不安感、気分の落ち込み、イライラなど、精神的な不調を和らげ、心のバランスを取り戻すサポートをします。特に、交感神経が優位になりがちな現代人にとって、リラックスを促し、精神的な安定をもたらすお守りのような存在です。
- ホルモンバランスの調整サポート
- 女性特有の悩みに寄り添う精油としても知られています。
PMS(月経前症候群)による気分の浮き沈みや不快感、更年期におけるイライラやホットフラッシュなどの症状緩和に役立つとされています。
2. 身体への作用:美肌から不調ケアまでマルチに活躍
- スキンケア効果(美肌作用)
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- ・皮脂バランス調整作用
乾燥肌、脂性肌どちらのタイプにも適しており、皮膚の水分と油分のバランスを整えます。
- ・収れん作用・皮膚弾力回復作用
肌を引き締め、ハリを与える効果が期待でき、エイジングケアに適しています。
- ・抗炎症・抗菌作用
ニキビや吹き出物、湿疹などの肌トラブルの予防・ケアに役立ちます。シミやシワの予防にも。
- ・細胞成長促進作用
皮膚の再生を助け、傷跡を目立たなくする効果も期待されます。
- むくみ・セルライトのケア
- 体内の余分な水分や老廃物の排出を促すといわれ、むくみやセルライトのケアにも用いられます。
- 免疫調整作用
- 抗菌・抗ウイルス作用により、風邪やインフルエンザなどの感染症予防にも貢献します。
- 止血・瘢痕形成作用
- 小さな切り傷や擦り傷の止血を助け、傷跡の治癒を促すといわれています。
- 虫除け効果
- シトロネロールなどの成分が蚊などの虫を寄せ付けにくくするため、アウトドアや夏の季節に役立ちます。
ゼラニウム精油のおすすめ簡単レシピ
ゼラニウム精油を日々の生活に取り入れるための具体的な方法と、初心者でも簡単に試せるアロマレシピをご紹介します。
必ず植物油などで希釈し、パッチテストを行ってからご使用ください。
心ときめくバラの香りのエイジングケアオイル
ハリと潤いを与え、エイジングサインが気になる肌を優しくケアします。
- 材料
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| ゼラニウム精油 |
2滴 |
パルマローザ精油
(皮膚細胞活性化、保湿) |
2滴 |
ローズヒップオイル
(ビタミンC豊富、組織再生) |
10ml |
- 作り方
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キャリアオイルに各精油を加え、よく混ぜ合わせます。
- 使い方・ポイント
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化粧水(ローズウォーターなどもおすすめ)で肌を整えた後、1~2滴を手に取り、顔全体に優しくなじませます。特に乾燥や小じわが気になる部分には丁寧に。「翌朝、肌のハリと柔らかさに違いを感じるはず!」といった嬉しいお声もよく聞かれます。
酸化しやすいオイルなので、少量ずつ作り、早めに使い切りましょう。
市販の無香料リップクリームやハンドクリームに、ゼラニウム精油を楊枝の先に少量つけて混ぜるだけでも、保湿と共にフローラルな香りを楽しめ、肌荒れの予防・ケアに繋がります。
心穏やかジェル ~更年期のゆらぎを感じる時に~
女性ホルモンのバランスの乱れからくるイライラや気分の落ち込みを和らげ、穏やかな気持ちをサポートします。
- 材料
-
| ゼラニウム精油 |
3滴 |
クラリセージ精油
(女性ホルモン様作用、鎮静作用) |
3滴 |
サイプレス精油
(ホルモン調整サポート、 むくみケア) |
2滴 |
ジェル基材
(アロエベラジェルなど) |
10g |
- 作り方
-
キャリアオイルに各精油を加え、よく混ぜ合わせます。
- 使い方・ポイント
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手首の内側、下腹部、腰などに適量を塗布し、優しくマッサージするようになじませます。深呼吸しながら香りを取り込むとより効果的です。クラリセージは妊娠中やホルモン依存性の疾患がある場合は使用を避けましょう。
ゼラニウム精油の注意点・禁忌事項
メディカルアロマとして精油を用いる際には、安全性が非常に重要です。以下の点に注意してゼラニウム精油を使用しましょう。
- 原液塗布の禁止
- 必ずキャリアオイル(ホホバオイル、スイートアーモンドオイルなど)やジェル、クリームなどで希釈して使用してください。
- パッチテストの推奨
- 初めて使用する場合や敏感肌の方は、希釈したオイルを腕の内側の柔らかい部分に少量塗り、24時間程度様子を見て、赤みやかゆみが出ないか確認してください。
- 妊娠中・授乳中の使用
- ホルモンバランスに影響を与える可能性があるため、特に妊娠初期は使用を避け、安定期以降も低濃度での芳香浴に留めるか、専門家にご相談ください。
- 乳幼児への使用
- 3歳未満の乳幼児への直接塗布は避け、芳香浴で使用する場合もごく低濃度に留め、換気を十分に行ってください。専門家の指導を受けることを推奨します。
- その他
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- ・飲用は絶対にしないでください。
- ・目に入らないように注意してください。
- ・開封後は冷暗所に保管し、1年以内を目安に使い切りましょう。
- ・ゼラニウム精油に光毒性はありません。
ゼラニウム精油と相性の良い精油
ゼラニウム精油は他の多くの精油と調和しやすく、ブレンドすることで香りに深みが増し、作用の幅も広がります。
- フローラル系
- ラベンダー、ローズ、ネロリ、イランイラン、カモミール・ローマン
- シトラス系
- ベルガモット、オレンジ・スイート、グレープフルーツ、レモン
- ハーバル系
- クラリセージ、ローズマリー、ペパーミント
- 樹木系
- サンダルウッド、フランキンセンス、サイプレス、シダーウッド
- オリエンタル系
- パチュリ
目的や好みに合わせて、さまざまなブレンドを楽しんでみてください。
ゼラニウム精油で心と体の調和、メディカルアロマの第一歩
ゼラニウム精油は、その美しい香りと心身への多様な働きかけにより、まさに「女性の味方」ともいえる頼れる存在です。スキンケアからメンタルヘルス、さらには日々の暮らしを豊かにするアイテムとして、幅広く活用できるのが大きな魅力です。
メディカルアロマを学ぶことは、ゼラニウム精油のような植物の恵みが持つ薬理作用を深く理解し、ご自身や大切な人の健康管理や美容に、より安全かつ効果的に役立てることに繋がります。「精油の持つ力を、もっと深く知りたい!」「薬理作用を理解して、自信を持って精油を使いこなせるようになりたい!」もしあなたがそうお考えなら、当アロマスクールでメディカルアロマの世界を本格的に探求してみませんか?